ハニーはコンサルタント

妻が経営コンサルタントに転職。平日父子家庭となったダメリーマンの奮闘記。

【書評】確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

■総評

華やかで完成の領域だと考えていたマーケティングのイメージが変わりました。

 マーケティングは科学の学問(数学、心理学)だと理解できます。

まさに「勝てるマーケティング戦略」を立案するための教科書であり実用的な書籍です。

ユニバーサルスタジオジャパンがどのような戦略で成功したのか、

成功が計算されつくされていたのか、勝つべくして勝ってきたのかが、

著者(盛岡 毅 氏)の思考プロセスに沿って理解できる内容です。

 

■参考になった内容
・市場競争とは、顧客の購入意思決定の奪い合いである。

⇒私は現在メーカー勤めなのですが、どうしても商品軸で物事を考えてしまいます。

 他社との差別化、いかに商品をブラッシュアップさせるかに意識がいってしまいます。

 「購入意思を奪うには?」と考えると打ち手を広く、4Pを総合的にとらえられそうです。


・プレファランス(好意)の高いものはより高頻度で購入される。

⇒顧客は無意識に購入してもよいグループ(プレファランスのバスケット)を持っていると理解しました。

 『自社商品はバスケットに入っているか?順位は?確率は何%?』

 今まで考えたこともなかった概念でした。私は『同じものしか買わない』ユーザー観をもっていましたが、顧客の行動を考えると現実的ではなかったと反省しました。

 顧客のとらえ方がアップデートされました。

 

・売り上げを伸ばすには、プレファランス、認知、配架の3つを高めること。

⇒まずは『認知、配架に課題はないか?』を確認する。ここに課題があれば文字通りチャンス!

 しかしながら、(他社含め)認知、配架の課題が解決してしまえば、結局はプレファランスの奪い合いで勝負が決まってしまう。つまり『いかにプレファランスを向上させるか?』こそが大事となる。


■こんな人におすすめ

マーケティングを勉強したい方へ。

特に理系の方は感動すらしてしまう内容かと思います。

戦略立案に悩んでいる方には『勝つべくして勝つ!』ための戦略とは、こういうことか!と理解できると思います。